安さにはすべて「訳(わけ)」がある。
企業の社会価値創出を支援する、一般社団法人ソーシャルバリュー協会の隅田です。
今日市バスに乗ったところ、窓に貼ってある会社の広告が目に飛び込んできました。
新たに宅配給食事業を始めた会社の広告です。
メインのコピーは、「安さ」をお確かめください。
目を凝らしてその他の情報を見ても、調理にこだわっていることは書いてあるものの、なぜ安く提供できるのか?本当に安全な食材を使っているのか?そのあたりには一切触れていません。安さを強調すれば売れるはずと言わんばかり。
「安さ」は必要条件だと思いますが、もう「安さ」だけでは十分条件とは言えないのではないでしょうか。「安心」を前提とした納得できる「安さ」こそ、消費者が求めている「安さ」なのではないでしょうか。
しかし実のところ、消費者はまだまだ「安心」より「安さ」を選ぶ傾向が強いのも事実。
昨日の中日新聞の記者の眼でこんな記事が。
先日の廃棄カツ横流し事件に触れて、廃棄した業者はもっての外だが、安さを求める消費者の志向も、その下地になっていないかと警鐘を鳴らしています。
冒頭の宅配食の会社も、消費者の志向がそうだからこそ、安さを強調しなければ売れないと追い立てられた結果なのかもしれません。
ただひとつだけ確かなこと。それは、結局のところ、安売りは、誰も幸せにしないということです。そろそろ消費者も眼を覚ます時ではないでしょうか。